2023年1月19日から20日の2日間、秋田県主催のワーケーションツアー「もっとリモートワークで秋田暮らし推進フォーラム&実感ツアー2023」が開催されました。
このフォーラム&ツアーは、リモートワーク等を活用した就業場所に縛られない新しいライフスタイルとして、大都市圏等の企業に勤務する方々が、リモートワークによって現在の仕事を継続しながら、過密な環境から離れ、秋田に生活の拠点を移す「リモートワークで秋田暮らし」を知る&体感できる1泊2日のイベントです。
今回は「リモートワークで秋田暮らし」の魅力を探るために、Shisaly編集部のメンバーが参加してきましたので、その様子をお伝えします。
1日目「視察見学とリモートワークで秋田暮らし推進フォーラム2023の開催」
まずはリモートワーク施設「Newテラス広小路」の見学からスタート。Newテラス広小路は、秋田市中心部のメインストリートに建っている歴史あるビルをリノベーションしたシェアオフィス&レンタルオフィスです。
シェアオフィススペースやオープンスペースはもちろん、シャワールームやランニングマシン、フィットネスバイクも設置しているので、ジムのように使うこともできるんだとか。また、秋田杉をふんだんに使用しているので、木ならではの、ぬくもりが感じられる施設となっています。
次に「あきた芸術劇場ミルハス」を見学。ミルハスは2007席の大ホールを備える文化施設で、様々なコンサートやイベント、研修等が日々行われています。こういった施設を見学することで、秋田での生活を垣間見ることができました。
施設の見学を終えて、本日のメインイベントである「リモートワークで秋田暮らし推進フォーラム」が開始。日本全国さまざまな地域からご参加していただいた31名の参加者に向けて、コロナ禍でのリモートワークによる働き方改革に関する最新情報や、リモートワークに普及による地方への移住加速の可能性について、パネルディスカッションを行いました。
パネルディスカッションでは、A N AやN T T東日本など大手企業に所属しながらリモートワーク移住を実践している方やリモートワークを活用し首都圏の会社経営を続けながら秋田県で起業した経営者、都内首都圏と秋田で2拠点生活をしている方の合計4名の移住等実践者が、実体験を踏まえ秋田暮らしの魅力を発信。
移住者の生の声を聞けるのも、本イベント魅力です。その中で、実際に暮らしたメリットとして下記の点を挙げていました。
リモートワークで秋田暮らしのメリット
・都市圏から飛行機で約1時間と意外と近い。(新幹線でも4時間ほど)
・全国でもトップレベルの教育基準なので、子育てに大きなメリットがある。
・保育園に入りやすく、周りが協力してくれるので子育てしやすい。
・自然が身近にあり、遊ぶ施設も充実している。
・通勤時間が短く、通勤時間を余暇等に活用できて日々充実している
このように、秋田県では子育て・教育環境の評価が高く、家族にとってもメリットある生活が可能なようです。また、企業経営者からは行政の対応の速さ(決裁が早い)が特徴として挙げられ、都会ではできないプロジェクトや、行政の協力が必要な事業も他県と比べて実行しやすいんだとか。
秋田県では人口減少や高齢化の課題に行政が強い危機感を持っているため、移住者の挑戦を応援する姿勢が強く、地方で事業やプロジェクトを立ち上げたい方にとってはオススメの県のようです。
移住実践者によりパネルディスカッションの後は、行政職員による支援制度の説明が行われました。
秋田県では「リモートワークで秋田暮らし」に加え、移住者支援や企業誘致にも力を入れています。そのため、設備投資や雇用に対する支援が用意されていたり、市町村ごとに特徴のある支援策もありました。
2日目「リモートワークで秋田暮らし実感ツアー2023」
2日目は秋田暮らしを実感できるように、県内の様々な施設をバスで巡ります。移動中はバスガイドの方が秋田の特徴や、過ごし方、秋田弁についてなど、秋田の生活を解説していました。
最初に見学するのは、秋田駅前にある「秋田拠点センターアルヴェ」です。アルヴェは、秋田駅駅前の一体的なまちづくりを実現するため、市民の交流空間と魅力ある都市機能を、秋田市と民間事業者との連携により整備した官民複合施設で、映画館やレストラン、カフェ、ホテルなど、様々な機能を持ち合わせています。また、イベントや各種会合なども頻繁に行われ、利用者は年間300万人を超えるそうです。
実は、このアルヴェ内にもコワーキングスペースが用意されています。国内でも珍しい映画館をリノベーリョンしたコワーキングスペース「アトリエ★アルヴェ」です。
映画館ならではの高い天井空間と内装に、秋田杉をはじめとした県産木材を豊富に使用することで、世界遺産である白神山地の木立に佇む街並みをイメージしています。人と仕事を繋ぐ「ビジネスの創造拠点」をコンセプトに、超高速・大容量かつ高セキュリティのローカル5Gが整備。
秋田駅に隣接しているのでアクセスがよく、人気のコワーキングスペースです。秋田県内には他にも様々な特徴を持ったコワーキングスペースやシェアオフィスが40箇所程度あり、テレワークの方にとっては働きやすい環境が整備されています。
県内のコワーキングスペースやシェアオフィスの一覧はこちら。
次に、体験施設とアクティビティ施設を巡ります。まずは「秋田市民俗芸能伝承館(ねぶり流し館)」で秋田の歴史と文化に触れるところから。提灯を揺らめかせ、力と技を競う「竿燈まつり」は、国重要無形民俗文化財に指定され、東北三大まつりのひとつにも数えられている夏の風物詩です。
この施設では、秋田で最も有名な祭りである「竿燈まつり」や、県内の民俗芸能について知ることができました。
アクティビティ施設は、太平山リゾート公園へ。この広い敷地には、温泉プールやスキー場を中心に、ゴルフ場や花公園、キャンプ場、植物園などがあり、秋田の四季が満喫できます。
秋田駅からは車で30分ほど。生活圏内にアクティビティを楽しめる施設や、自然と触れ合える場所があるのは魅力的です。
秋田市は中核市であることから、住みやすい都市であることに加え、海や山など自然体験へのアクセスが非常に良い場所です。このような住みやすさが、秋田県に移住者が増えている理由なんだと思います。
今回のツアーの最後は、「公立大学法人国際教養大学」を見学。教育に力を入れている秋田の象徴のような大学です。
国際教養大学では、授業はすべて英語で行われており、教員の6割は外国人となっています。海外の提携大学は201大学にもなり、優秀なグローバル人材を輩出する日本でも珍しい大学です。
中でも有名なのが、日本で一番美しいと言われている図書館「中嶋記念図書館」。グッドデザイン賞や国際建築賞などを受賞し、CMやドラマのロケにも使われる有名な図書館です。
建築家の仙田満氏(東京工業大学名誉教授)が設計し、村野藤吾賞、日本建築家協会賞 国際建築賞2010、グッドデザイン賞他多数の賞を受賞しています。また、24時間365日開館されており、学生たちの学ぶ意欲に応え、いつでも、時間の制約なく勉強に集中できる環境を提供しています。
一般の利用者も自由に出入りできるため、秋田市民の憩いの場としても親しまれているそうです。
この美しい中嶋記念図書館を最後に、今回のツアーは終了。秋田県での生活を垣間見れる充実したツアーとなりました。
今回のツアーは秋田市を中心としたものでしたが、今後は東西南北の他市町村で、Shisaly編集部がワーケーションを行う予定です。その様子もレポートしていくので、お楽しみに!
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