2022.07.15

地域おこし協力隊が一番揉める活動費について

地域おこし協力隊が一番揉める活動費について

今回は、地域おこし協力隊就任後、一番揉めやすい活動費の使い方、用途について解説します。活動費が使えない自治体では、希望した活動ができなかったり、視察や勉強会等の出張にも行けません。協力隊の就任前に活動費が使えるかをしっかりと確認をしましょう。

使える場合でもあっても、使い方や用途は自治体によって様々です。活動費を使うために、行政の意思決定の仕組み、予算立案・執行のスケジュール感覚等をしっかり確認し、自治体との意思疎通を図る必要があります。

活動費とは?

地域おこし協力隊員には、1人あたり年間480万円(うち報償費等については280万円上限、報償費等以外の活動に要する経費については200万円上限)が支払われています。この480万円の内、200万円が活動費として計上されており、活動の中で発生する経費であれば幅広いものに使用できます。

ただし、基本的には公共の利益になるものにしか使えません。活動とは関係のないものや、地域おこし協力隊卒業後に自分の所有物になるものには原則使えません。

地域おこし協力隊の制度は自治体の裁量権を重視しているので、財政措置の明確な対象はありませんが、活動費の用途について曖昧な場合は総務省に確認してもらいましょう。

また、地域おこし協力隊O B・O Gが相談に対応する「地域おこし協力隊サポートデスク」に相談することもできます。

活動費の内訳

活動費は隊員1人に年間200万円支給されますが、全額を自由に使えるわけではなく、協力隊の活動以外に要する経費も含まれます。これを知らず、活動費の全額を使えると勘違いして揉めるケースが多々見受けられます。

例えば、住居や車が提供される地域の場合、宅家賃や車両代が活動費の中から捻出されています。福利厚生等の隊員の生活に必要な経費も含まれまれており、活動費の中で自由に使えるのは100万円前後の場合が多いです。

予算申請について

自治体は、新しい年度が始まる前に、あらかじめ税金などの収入と行政サービスに使う支出の金額を見積もって、事業内容を計画します。この事業計画に必要な金額の見積りを「予算」と呼びます。活動費を使うには、この「予算」に計画を組み込む必要があるのです。

次年度の予算は、前年10月頃から、それぞれの担当課でベースとなる予算を組み立て、それをもとに12月〜2月に財政課による査定をし、最終的に3月議会の承認を得ることで成立します。予算が必要な場合は、前年度の10月から必要書類(事業概要と予算概算)を作成し、担当課の承認を得る必要があります。

採用されて行動に移せるようになるのは、予算が確定し、動き始める翌年4月以降です。10月に構想を始めてから、約半年後にようやく予算を使った事業を実行することができるのです。

予算の締切り、やり方は、各自治体によって異なります。まずは予算に関して日頃から相談に乗ってもらい、事前にトラブルを防ぐことが大切です。