2022.06.29

新しい仕事のカタチ「地域おこし協力隊」とは?

新しい仕事のカタチ「地域おこし協力隊」とは?

若者の移住支援制度「地域おこし協力隊」

地域おこし協力隊は、過疎化が進む地方自治体が都市部に住んでいる人を隊員として募集し、その地方に住んでもらって“地域おこし”をお願いするという制度です。これは一般的な地域を応援する活動ではなく、国が支援する正式な活動名称です。

一般的な移住と異なるのは、地域おこし協力隊の隊員として地方に引っ越すことで、総務省から地方自治体に報償費と活動費が特別交付税という形で支給され、地方自治体から隊員に対しても住居の提供や仕事の斡旋など様々な特典が与えられるということです。

日本全国の1,085自治体が受け入れており、6,015名の隊員が活動しています。隊員の男女比は男性6割、女性4割で、幅広い世代の隊員が活躍していますが、約7割は20・30代の若い世代です。

 

 

 

近年では少子高齢化に加えて都市部への人口・モノ・お金・雇用・インフラの集中が顕著になってきているため、過疎化の進む地方の地域に人や産業を動かし、活性化しようという政府の意向がその背景にあります。政府はこの隊員数を令和6年度に8,000人に増やすという目標を掲げており、この目標に向け、地域おこし協力隊等の強化を図っています。

 

 

地域おこし協力隊の活動内容

地域おこし協力隊の活動内容や条件は、自治体により様々ですが、観光と農林水産業、地域づくり、教育の募集が多いようです。協力隊の制度が始まった頃は、決まった任務がなく、自分で課題を見つけて企画提案して行動する「フリーミッション型」の応募がメインでした。

しかし、そもそも何をしていいかが分からない隊員や、活動が見えにくいので行政や地域住民と対立しやすいなど問題も多いことから、自治体が予め解決したい課題を選定し、ある程度の活動内容を決めた上で募集する「課題解決型」の募集が多くなっています。大枠が決まっているので活動しやすく、自治体との方向性も同じことから、良好な関係を維持しながら課題解決に挑戦することが出来ます。

最近では、観光協会、給食センター、図書館、教育施設等の公共性のある事業所に就任することもあります。慢性的な人手不足から自治体以外の事業所の募集が増えているのです。

 

(地域協力活動の例)

・ 地域おこしの支援(地域行事やイベントの応援、伝統芸能や祭の復活、地 域ブランドや地場産品の開発・販売・プロモーション、空き店舗活用など商 店街活性化、都市との交流事業・教育交流事業の応援、移住者受け入れ促進、 地域メディアなどを使った情報発信等)

・ 農林水産業従事(農作業支援、耕作放棄地再生、畜産業支援等)

・ 水源保全・監視活動(水源地の整備・清掃活動等)

・ 環境保全活動(不法投棄パトロール、道路の清掃等)

・ 住民の生活支援(見守りサービス、通院・買物のサポート等)

・ その他(健康づくり支援、野生鳥獣の保護管理、有形民俗資料保存、婚活 イベント開催 等)

 

地域おこし協力隊の途中退任率

地域おこし協力隊の任期期間は3年間ありますが、途中でやめてしまう傾向の強い募集内容もあるようです。「地域コミュニティ」「文化・スポーツ振興」「空き家・空き店舗対策」「畜産業、林業、漁業」の順に途中退職率が低く、「行政事務」「観光・宿泊施設の運営」「高齢者の生活支援」「医療・保健」の順に途中退任率が高くなっています。

※地域の防犯・防災は人数が少ないため除外。

 

地域おこし協力隊の任用形態

これまでは特別職非常勤職員の任用形態が最も多かったのですが、2017年に地方公務員法と地方自治法が改定され、2020年4月から自治体の非正規職員に「会計年度任用職員」に変更されました。これにより、地域おこし協力隊は自治体と雇用関係を結ぶ「会計年度任用職員」と、自治体とは雇用関係を結ばない「委託契約職員」の2種類に分けられます。

注意したいのは、雇用関係が発生する全ての隊員には地方公務員法が適用されるということです。守秘義務や営利企業等の従事制限といった項目を公務員同様に守らなければいけません。

雇用関係のない場合は、厚生年金・健康保険は加入されないので、個人での手続きが必要です。また、確定申告も必要になるので、事前に確認しましょう。ただし、雇用形態は変更することができるので、活動を通して不自由や障壁を感じたのであれば、自治体に相談をして見直しましょう。

 

地域おこし協力隊は特典が盛り沢山

地域おこし協力隊の隊員になると、様々な特典を享受できます。給与とは別に活動費200万円が支給されるほか、地域によっては住居や車が提供されることもあります。また、隊員としての任期終了後にその地域で起業する人に対しては100万円を上限に費用を支給するという制度もあります。地域おこし協力隊は、普通に移住するよりも地域社会と密接な関係を築くことができるので、移住に興味のある方や地域活性化に興味のある方は是非、応募してみてください。下記に地域おこし協力隊の求人募集を検索できるオススメのサイトを紹介します。

地域おこし協力隊 – JOIN ニッポン移住・交流ナビ

これからの地域とのつながりかた「TURNS」

移住スカウトサービス「SMOUT」

LIFULL 地方創生 LOCAL MATCH

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