近年、リーダーシップ教育やアントレプレナー教育など、能動的な人材を育成するための教育が重要視されています。そうした教育の一つとして注目されているのがインドネシアバリ島にある”グリーンスクール”という学校です。
グリーンスクールは「世界一環境に配慮した学校」、「世界中の子ども達が集まる学校」などと呼ばれています。
今回はグリーンスクールとはどういった取り組みなのかを見ていきましょう。
グリーンスクールの特徴
グリーンスクールは、2008年にインドネシアのバリ島に創立した、インターナショナルスクール。3歳-18歳の800人以上の生徒がこのグリーンスクールで学んでいます。
グリーンスクール最大の特徴は”持続可能な学校”ということです。木材だけでできた校舎、電気を使わない照明環境、節水に配慮したトイレなど、徹底的に環境のことを考えられています。
教育面において、グリーンスクールでは「リーダー教育」を重視しており、子ども達の主体性を尊重しています。子ども達がしたいことを、したいように学べるのがこの学校の大きな特徴です。
また、グリーンスクールのその他の特徴について紹介していきます。
ー 校 舎 ー
グリーンスクールの校舎のほとんどが、竹と木材からできており、竹と竹を組み合わせた階段や、木材から作られた椅子、机、バスケットボールゴールがあります。
竹や木材からできた校舎のため、窓も扉も壁もありません。竹と竹の隙間からは日差しや風が入り、天然の照明と送風機の役割を果たしています。そのため、グリーンスクールには電気の照明やライトといった電気製品は付けられていません。これも「持続可能な教育」の一環です。
ー 授 業 ー
グリーンスクールでは「リーダー教育」を重視しており、「未来のリーダーの育成」を目標としています。授業の内容も方法も日本とは一線を画すものとなっています。
まず、日本のような教育カリキュラムはありません。グリーンスクールでは、先生が生徒の興味のある分野を教えるプログラムで構成されています。また、児童生徒は決められた授業を受けるのではなく、自分で授業を選ぶことが可能です。さらに、既存の授業の中に自分の興味あるものが無ければ、興味のある分野を教えてくれる先生を自分で探して、授業をお願いする事も出来ます。
他にも、生徒の発案で、1ヶ月間のヴィーガン生活を送る授業や、化粧品の授業、チョコレートの授業、DJの授業などもあります。
ー 遊 具 ー
グリーンスクールにある遊具は、子供達によって発案されました。子ども達自身で遊具の種類を決めて設計図を書き、先生にプレゼンするのです。
そのプレゼンで先生に認められれば、遊具を作ってもらえます。グリーンスクールらしい、リーダシップを尊重し、子供達の主体性を育む方針が、こうした点からも垣間見えます。
日本教育との違い
日本の教育では授業やクラス、委員会など、あらかじめ用意された枠組みの中で子ども達は学びます。そのため、日本の教育は前例踏襲が一般的になり、子ども達の主体的な活動を抑制してしまう風潮があるのです。
一方、グリーンスクールでは子ども達の自主性を非常に重視しています。
選択制の授業やディスカッション、プレゼンテーションの頻度も高く、主体性を最大限に活かし学べるという点が、日本教育との大きな違いです。
終わりに
日本教育の常識とは違った、新たな教育であるグリーンスクールでは、未だ日本の教育には取り入れられていない取り組みが多くあります。
現代のような不安定な社会だからこそ、このような主体性を重きに置く教育は大切になってくるのではないでしょうか。