普段、皆さんが生活するうえで「省エネ」や「エコ」といった言葉を多く見かけませんか?車や住居関係、家電製品のキャッチコピーにも多く使われています。何故このような言葉が多く使われるようになったのでしょうか?それには、全世界が注目する"ゼロカーボン"への取り組みが背景にあります。
今回は、このゼロカーボンについて解説していきます。
ゼロカーボンとは
ゼロカーボンとは、企業や家庭が排出する二酸化炭素をはじめとする温室効果ガス(カーボン)の排出量をできるだけ減らし、同時に森林などによる吸収量を増やすことで排出量と吸収量をプラスマイナスゼロにすることを指します。
そのため、大気中の温室効果ガスをできるだけ減らし、地球温暖化対策をしようと世界中で様々な取り組みが行われています。
ゼロカーボンへの取り組み
気候変動を引き起こす原因となる地球温暖化は、氷河の融解や海面水位の上昇、洪水や干ばつ、生態系への影響、食料生産や健康へも影響を及ぼす全世界共通の課題です。
そこで令和4年2月、その課題を解決するために日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。カーボンニュートラルの達成のためには、温室効果ガス排出量削減と温室効果ガスの吸収作用保全(森林・環境保全)及び強化をする必要があります。そのため、排出する温室効果ガスの総量を大幅に削減することが求められているのです。
では、温室効果ガスの排出量を削減するためには、具体的にどのような取り組みをすればよいのでしょうか。環境省の調査によると、衣・食・住・移動など、私たちが普段の生活の中で消費する製品・サービスのライフサイクル(製造、流通、使用、廃棄等の各段階)において発生する温室効果ガスが、日本のCO2排出量の約6割を占めているという調査結果があります。
私たちが、生活の中でちょっとした工夫をしながら、無駄をなくし、環境負荷の低い製品・サービスを選択することで、こうしたライフスタイルに起因するCO2削減に大きく貢献することができるのです。
ゼロカーボンアクション30とは
2021年6月、政府は国と地方の協働・共創による地域における2050年脱炭素社会の実現に向けて「地域脱炭素ロードマップ」を策定しました。
これは、地域における暮らしと社会を中心に、生活の中での脱炭素社会実現に向けた工程と具体策を示すものです。「地域脱炭素ロードマップ」では、衣食住・移動・買い物など日常生活におけるゼロカーボンを目指す行動やそれによるメリットを「ゼロカーボンアクション」としての8つの分野に分け、以下のように整理・リスト化しています。
・エネルギーを節約・転換しよう!
・太陽光パネル付き・省エネ住宅に住もう!
・食ロスを無くそう!
・CO2の少ない交通手段を使おう!
・サステナブルなファッションを!
・3R(リデュース・リユース・リサイクル)
・CO2の少ない製品・サービス等を選ぼう!
・環境保全活動に積極的に参加しよう!
「地域脱炭素ロードマップ」を読むことで、身近なところからゼロカーボンを目指すアクションを始める際に参考になります。
世界共通の課題となった地球温暖化問題。その原因となる温室効果ガス排出量をトータルでゼロにすることを目指す点では、日本をはじめ、世界中の多くの国が同じ目標に向かいつつあるといえます。
そのような潮流の中で、私たち個人でもできるところから、カーボンニュートラルなライフスタイルを目指してみましょう。2050年に向けて、個人でも参加できる活動や取り組みに関わってみるなど、カーボンニュートラルの実現に貢献することが大切です。