地方自治体は少子高齢化・過疎・労働人口の減少・商業の衰退といったさまざまな課題を抱えています。
こうした課題を解決する手段の一つとして、地方自治体が力を入れているのが企業誘致です。企業を呼び込むことで、雇用の創出・人口増加・地域経済の活性化が見込めます。
しかし、企業を誘致することは簡単な話ではありません。東京や大都市圏以外の自治体は、ほぼ全て企業誘致の取り組みを行っているので競争が激化しているのです。そこで各自治体は、差別化するために誘致企業への充実した支援策を打ち出しています。
代表的な例で言えば、税制優遇や人材採用・育成の補助、本社移転や支店・工場の建設・賃貸費用の補助などです。事業拡大をしていく企業にとって、オフィスの拡大や工場設立は大きなコストがかかります。しかし、自治体の企業誘致を受け、さまざまな支援を活用すれば、必要なコストを大幅に削減できるメリットがあります。
そこで今回は、地方への移転・進出を検討する第一歩として、企業にとってのメリットをまとめました。事業拡大を検討している経営者の方にぜひ読んでもらいたい内容です。
ビジネス面でのメリット
1.自治体との協働体制・支援体制が構築できる
少子高齢化や産業衰退など、多くの課題に悩む地方自治体は、その解決策を求めています。そのため地域の課題解決につながるビジネスを行っている企業の場合、地方進出することで自治体と協業できる可能性があります。
2.新しい事業が生まれやすい
地方に進出することで、これまでにない視点から、今までになかったビジネスアイデアが生まれる可能性があります。地元企業と協力して新商品の開発をしたといったような事例は日本全国に数多くあるのです。
それぞれの地域には文化や技術、独自の産業や生産物など、魅力的なモノが多くあります。しかし、その中にはブランディングや販路拡大などが苦手で、その価値を発揮できていない場合も多く、地方の課題でもあります。こうした価値あるモノと自社リソースを組み合わせることができれば、今までになかった商品やサービスが生み出すことができます。
3.競合が少ない
都市圏と比べて、ライバルが少ないこともメリットと言えます。同業他社の多い都市圏に比べ、新規案件の獲得にかかる労力は比較的少なく、売り上げ増加も見込めるでしょう。実際、地方進出をする企業のほとんどが新規顧客の獲得、事業の売上増加を目的にしています。
ロケーションのメリット
1.オフィスや工場の立地に適した環境がある
地方では企業誘致に向けた資金面の支援だけでなく、県が運営する産業支援施設や産業団地、サテライトオフィスといったオフィス環境も充実しています。
また、工場や研究所を建設する場合、生産団地を利用すれば広大な土地を安価に確保できます。本社は都市部に置きながら、広大な土地を必要とする工場や研究所を企業誘致の制度を利用して建設する企業は多く、大手や有名企業も制度を活用しています。
2. 技術的支援を受けられる
自治体の多くはさまざまな設備を持った産業支援施設を持っており、新商品開発や研究に使用できます。
自社で高額な設備を導入できないベンチャー企業が地方にオフィスを設けるのは、このためです。また、技術の研究・開発について大学や研究施設と連携体制で取り組む事例も多くあります。
コスト面のメリット
1.事務所管理費用・人件費
先に述べた通り、オフィスや工場の賃貸料や土地価格が比較的安価なので、オフィスにかかるコストを減らすことができます。また、社員の人件費や家賃といった費用も補助対象になる場合があります。
2.各種制度の活用
自治体は県内に進出してくれた企業に対する税制優遇や人材採用・育成の補助、本社移転や支店・工場建設の費用補助など、さまざまな支援策を用意しています。
補助金の申請は手間がかかりますが、自治体に企業誘致を専門とする窓口が設置されている場合が多く、補助金の案内や申請のサポートもしっかりしてくれます。
人材面のメリット
1.雇用をしやすい
新型コロナウィルス禍において、働き方に関する考え方が大きく変わり、地方で働くことを希望する若手人材が増えています。地方に拠点を持つことで、こうした人材と出会える可能性があります。
自治体にもよりますが、地方では県内の雇用機会を増やすために、インターンの推進や求人サイトの運営、就活イベントなどの支援が充実しています。また、競合が少ないので、業種によっては都市部よりも採用が有利な場合もあります。
2.離職者を減らすことができる
首都圏から地方へ移住したいと考えている優秀な人材の離職を防ぐことが可能です。また、地方に進出することで社員は満員電車に乗らなくて済みますし、自然に囲まれた環境は心身のリフレッシュにつながります。
最後に
地方進出は企業にとって多くのメリットがあることを知っていただけたでしょうか?実際に地方進出を検討される場合、まずは情報収集から始めるのがおすすめです。最近ではお試しでサテライトオフィスを利用したり、生産団地をめぐるツアーなどを開催する自治体も増えています。
Shisalyでは自治体が開催する企業誘致の視察プランも掲載中です。自治体が都市圏に持つオフィスで話を聞くライトな内容のプランから、現地で詳しい話を聞くものまでさまざまな種類があるので、自社にあったプランを検索してください。
事業拡大に向けた次の一手として、Shisalyを活用して、アナタにピッタリな地域を見つけましょう!