熊本県山鹿市は、福岡県に隣接した人口6万人の農林業と温泉の小さな「まち」です。主要産業である農林業は、米を中心に菊、スイカ、メロン、苺などの施設園芸やアスパラ、ナスなどの野菜、筍、椎茸、茶などの特産品、みかん、柿、栗などの果樹の他、畜産業など幅広い領域で営まれています。特に栗は県下1位の生産量を誇り、その品質の良さから全国の菓子業界へ納入されています。

弊社は、このような熊本の農業形態、特に中山間地（里山）にみられる小規模多品種の可能性に着目し、平成9年に小ロット多品種の産地アイスメーカーとして創業いたしました。現在ではアイス原材料の約6割を地域に依存しています。

しかしながら、里山農業は生産効率の厳しさ、担い手の高齢化と後継者不足という大きな課題を乗り越えられないまま存亡の危機にあります。そのような中、弊社は2013年に里山農業参入を決意し、無農薬・無化学肥料の合鴨米の生産、栗、ワイン用葡萄の生産に取りかかりました。

今後弊社は、多彩な地域資源を活用した産地アイスや、クライアント様の思いをカタチにする小ロットオーダーメイドアイス製造に特化した事業を推進するとともに、里山の豊かで多彩な資源を活かした新しい農業のカタチを作り上げていきたいと考えています。

これから私たちは、人口の減少、超高齢化社会というこれまでに経験したことのない時代の中で生きていきことになります。新しい時代では、経済成長を最優先した価値観の中で見落とされてきた「心」とか「絆」「家族」「幸福」というものが大きな存在感を持つようになると思います。

私たちは、そのような人の暮らしと向き合いながら、生活者が暮らしの中で「自然との共生」を感じる「こと」や「もの」づくりを目指していきます。そして、人が、地域が輝き、心豊かな暮らしが再生されていくことを心から願っています。