公務員の副業×空き家活用で「稼ぐ地域」をつくるYURAMEKI労働者協同組合の挑戦

■団体紹介

YURAMEKI労働者協同組合は、愛知県新城市の市職員有志が立ち上げた、2024年設立の労働者協同組合です。

「公務員の副業」という全国的にも珍しい形態で、地域課題である空き家を活用した宿泊施設（民泊・旅館）の運営管理サポートを行っています。

「出資・経営・労働」を一体で行う労働者協同組合の仕組みを活かし、ボランティア依存ではない「稼げる地域づくり」を目指しています。

■労働者協同組合設立経緯

地域自治区制度が進む新城市において、「ボランティアの限界」と「担い手不足」に直面した市職員たちが、市に頼らず地域自らが稼ぐモデルを模索しました。

市の研修制度を活用して古民家利活用の実証実験（市場調査、収益性検証）を行い、市長へのプレゼンを経て職員の副業解禁を実現。

その受け皿として、当事者意識を持って事業を行える「労働者協同組合」を設立しました。

■これまでの取り組み

市内にある空き家・古民家を活用した宿泊施設（「SO」「UTSUWA」等）の運営サポートおよび管理業務を受託し、交流人口の拡大と地域内への経済循環を生み出しています 。

また、業務を「クエスト」に見立てて掲示板から受注する独自の「YURAMEKIクエスト」制度を導入し、組合員がゲーム感覚で楽しみながら主体的に働ける仕組みを構築しました 。

この活動に触発され、他の市職員が地域貢献の副業を申請する事例も増え始めています。

今後は、現在の宿泊事業を軌道に乗せ、得られた収益を次の地域課題解決へ再投資する「自立した経済循環」の確立を目指します。

私たちの活動が「着火剤」となり、地域住民の心に火を灯し、将来的には私たち公務員が主導するのではなく、住民自治の担い手が次々と生まれるような持続可能な地域モデルを築いていきます。

■視察内容

YURAMEKI労働者協同組合は、現役公務員が「お役所仕事」の枠を超え、自らリスクを取って起業した実践事例です。

「公務員×副業×労働者協同組合」という新しい働き方と、楽しみながら働くための「クエスト方式」などの運営ノウハウを包み隠さずお話しします。

地域活性化に取り組む自治体職員の方（人事・企画・地方創生担当）、NPO法人や地域づくり団体の方、労働者協同組合の設立に関心がある方、空き家活用や関係人口創出に取り組む事業者の方に参加いただきたい内容です。

参加いただいた方にはまず、なぜ公務員が労働者協同組合を選んだか、副業解禁までの道のりと行政との調整、「YURAMEKIクエスト」などのユニークな組織運営手法、空き家活用ビジネスの収支などについてご説明いたします。

その後、現地見学として、運営管理サポートしている古民家宿泊施設（SO、UTSUWA等）の内覧をしながら、リノベーションのポイント解説や質疑応答に対応させていただきます。

視察同日に宿泊予約が入っている場合、YURAMEKIのスタッフが実際に業務を行っている様子もご覧いただけます。

行政と民間の間にある壁をどう突破したか、そのリアルなストーリーは必聴です。

私たちは「行政がやるべきこと」と「民間ができること」の境界線で、新しい公務員像、そして新しい地域自治の姿を模索しています。

私たちの事例が、皆様の地域の課題解決のヒントや、一歩踏み出す勇気になれば幸いです。

新城市の豊かな自然と、再生された古民家の空間でお会いできることを楽しみにしています。