伝統工芸植物「つりしのぶ」のPR（つりしのぶ作り体験を通じて）

■つりしのぶ園のご紹介

つりしのぶ園は兵庫県宝塚市北部の豊かな自然の中で「つりしのぶ」を専門に作っている農園です。

つりしのぶとは、培養土を様々な形に成型し、その周りにしのぶの根茎を巻き付け、さらに棕櫚（しゅろ）縄を巻いて吊り下げられるように仕立て上げたものです。始まりは江戸時代と言われ、東京・深川辺りに住んでいた植木屋さんによって、出入りしていたお屋敷に涼感と風情を楽しんでもらおうと考案されたと伝わっています。

そこから、軒先に吊るされたつりしのぶの心和らぐ風情が評判となり、やがて全国に広まっていきました。 夏の風物詩として、小林一茶が句に歌ったり歌川広重が題材にもしています。

60年前には20軒位の方がしのぶを生産していましたが、現在、つりしのぶを専門に作る農園は全国に2軒のみ。

私たちは歴史ある希少な伝統工芸植物「つりしのぶ」を皆さんに知ってもらい、後世に残していかなくてはと考えています。

そこで、つりしのぶの販売だけでなく、つりしのぶ作り講習会やイベントなどにも積極的に取り組んでいます。

講習会やイベントの実績では、ＮＨＫ文化センター、各所カルチャーセンター様、ＪＡ様、緑の相談所様、各所自治会・老人会様等から「つりしのぶ作り講習会」の開講依頼をいただいており、中には15年間毎年開催させていただいている団体様もあります。

伝統工芸植物「つりしのぶ」

■視察プランについて

今回の視察プランは、つりしのぶ園が開催する「つりしのぶ作り講習会」に参加していただきながら、つりしのぶの歴史やつりしのぶという伝統工芸植物をどのようにして普及し、後世に残していこうと考えているかについてご説明させていただきます。

伝統工芸に触れたい、将来学びたいといった方、伝統工芸の保全・承継の支援をされる方々などにご参加していただきたい内容です。

通常の開催日は毎月第３週の日曜日ですが、10名様以上の場合は個別日程で開催させていただくことも可能です（スケジュール調整必要）。個別日程開催の場合は別途講師料をいただいておりますので、予約リクエスト時にオプションを選択してください。

■つりしのぶづくり概要

つりしのぶ作りの内容は、培養土を成型し、しのぶ苗を植え込み、民芸調の雰囲気が出るよう棕櫚（しゅろ）縄を巻き、吊り下げるようにして完成させます。お好みで山野蘭を植えたり、風鈴をぶら下げたりもできます。（蘭・風鈴は別料金）

つりしのぶ作りを経て、参加者の方々から後にメールや葉書を送っていただくこともあり、多くの方につりしのぶを知っていただくことに喜びを感じています。

寒暖差の激しいつりしのぶ園で育ったしのぶ苗は環境に強く、（手入れ、環境にもよりますが）５年１０年と長く楽しむことができます。自分で作ったつりしのぶを慈しみながら育てていただき、盛夏の中そよそよとなびく葉姿を観賞し、涼感、風情を楽しんでいただければ幸いです。

つりしのぶ育成の様子