きっかけはトンボから。日本一のトンボ保護区"トンボ王国"から自然保護について学ぶ視察プラン

■団体紹介

公益社団法人トンボと自然を考える会は高知県西部、四万十市具同の池田谷という地域でトンボを中心とした自然保護区（正式名称・四万十市トンボ自然公園：通称・トンボ王国）をつくっています。

総面積が50ヘクタールの池田谷内に整備されている「四万十市トンボ自然公園」と、とんぼ館・さかな館で構成される施設「四万十川学遊館あきついお」をあわせ、総称として『トンボ王国』と呼ばれるようになりました。

トンボ王国は世界初のトンボ保護区で、81種類のトンボが見つかっている日本一の保護区です。

また、野草等も700種類以上自生しており、弊会ではトンボ王国内の生態系の保護・整備・管理を行っています。

トンボは水辺環境に生息する昆虫のため、山だけでなく川の管理も不可欠です。

季節ごとの水の量や日照時間など基本的条件を踏まえ、適度な人手を加えてトンボが棲み易い環境を維持しています。

これまでにエリア内で確認出来ている81種類のトンボの内、2005年から確認出来ているトンボの数は60種類以上をキープしています。

■トンボ保護の背景

きっかけは1978年の春。開発工事によって、高知県内でベッコウトンボの最後の生息地が失われることが明らかになりました。

これに危機感をもった常務理事の杉村光俊がトンボの保護区づくりを呼び掛けたことが始まりです。

個人での活動から始まり、1985年には世界的な自然保護団体"WWFジャパン"がトンボ保護区用の土地を購入。

その年の12月に社団法人トンボと自然を考える会が発足し、団体としてトンボ保護区づくりの取り組みを行ってきました。

これ以降、同会は四万十市や高知県、世界中のトンボ愛好家、自然保護関係者など多くの方々からご支援を受けながら、現在も尚、拡張と整備を続けています。

■事業内容

・四万十市トンボ自然公園

5ヘクタールの敷地を有する四万十市トンボ自然公園では、多種類のトンボを見つけることができます。

季節や天候によるタイミングはありますが、トンボの羽化や産卵、捕食の様子などの生態観察が可能です。

その他、野草や鳥類、昆虫も様々な種類が生息しているため、豊かな自然を体感することが出来ます。

※自然保護区内では全ての動植物の採集禁止です。来て、探して、観察して、お楽しみください。

　なお、将来的には保護区がある池田谷全域（50ヘクタール）の保護区化を目指しています。

・四万十川学遊館あきついお

四万十川学遊館あきついおはとんぼ館とさかな館で構成された博物館です。

名称の「あきつ」はトンボの古称｢秋津」から、「いお」は「魚（うお）」からとりました。

トンボを取り巻く自然環境について楽しく学べて、親子でも楽しめる施設です。

とんぼ館ではトンボに関する学習資料や標本・生態写真等の展示があります。

レッドリストやトンボの見分け方等、いつも何気なく見ているトンボについて、深く知ることができる施設です。

さかな館では万十川産を中心とする世界中の淡水・汽水魚を飼育展示しています。

四万十川の魚約120種500尾や、四万十川河口の汽水域で見られる魚も豊富に展示しています。

■活動実績について

弊会では、1985年の事業開始当初から放棄田が広がる里山を舞台に、立地条件を踏まえた積極的な人的整備と管理を継続的に実施。

当初60種だったトンボ記録種は最大81種まで増加しています。

そういった取り組みが評価され、2024年3月に環境省から"自然共生サイト"として認定・登録されました。

また、OECM（＝Other Effective area-based Conservation Measures：保護地域外で生物多様性保全に資する区域）として、国際データベースにも登録されています。

■本プランについて

本プランでは、担当職員による公園内のガイドを行います。

○説明内容

・トンボ自然公園内の生物

・トンボを取り巻く生態系の状況

・自然保護の方法

その後、事業の運営方法や事業への想い等もご説明させていただきます。

学校関係者や環境保護団体など環境に興味のある方、企業の方などにぜひ視察に来ていただきたい内容です。

また、本プランを通して、是非本会の会員になって活動を応援してくだされば幸いです。