木伏緑地（都市公園）：地域循環経済を構築した民間による公園経営事業

■木伏緑地「MORIOKA KIPPUSHI WATER NEIGHBORHOOD」について

盛岡駅と中心市街地を結ぶ開運橋（盛岡駅から約200m）のたもとにある「木伏緑地（きっぷしりょくち）」。元々は盛岡市が管理する緑地でしたが、令和元年（2019年９月９日OPEN）に公募設置管理制度（Park-PFI）を活用し、飲食店などを備えた官民連携の公園として生まれ変わりました。

北上川河川敷に隣接する約200メートルほどの帯状の敷地（約4,400㎡）にはコンテナ型のモダンな店舗が並び、コーヒーショップ、ジェラート店、バル、居酒屋、ジンギスカン店などが営業。芝生広場も整備され、散策を楽しめます。

盛岡駅に近い立地の良さもあり、昼夜を問わず地元客や観光客で賑わいをみせている。

昼は公園らしい明るく開放的な空間ですが、夕暮れが近づくと装飾のライトが点灯し、夜市のようなムードある景観になります。そぞろ歩きをしながら、どの店でゆっくり食事やお酒をたのしんでもいいし、２軒、３軒とはしごをするのも魅力的。テイクアウトしてウッドデッキや河川敷の段差に腰掛け、語り合うのも、木伏ならではの夜の楽しみ方です。

▪️事業評価のポイント

事業提案内容で次の点が高く評価され、行財政負担軽減（公衆用トイレ整備費も税収増加等で３年で回収）が実現できました。

①　地域循環経済を構築するため周辺家賃に比して安価に設定

②　出店者は岩手県資本

③　若手飲食店経営者を育てるインキュベーション施設

④　公衆用トイレ以外の公園整備を民間資金で実施

⑤　公園維持管理（公衆用トイレの光熱水費や清掃費も含む）を民間資金で実施

生まれ変わった木伏緑地は、「MORIOKA KIPPUSHI WATER NEIGHBORHOOD」というコンセプトの元、民間が管理する公園の中に、飲食店と、水辺、原っぱ、ウッドデッキのフリースペースが設けられ、店舗でコーヒーやお酒を楽しむだけでなく、楽しみ方は人によってさまざまな空間となっています。

”誰もが自由にアクティビティを楽しみ飲食を楽しむ、木伏緑地界隈でしかできない日常生活”を提供することで、エリアの価値向上を実現しています。

■公募設置管理制度（Park-PFI）について

公募設置管理制度 （Park-PFI）は「行政の財政負担を軽減しつつ、民間事業者の投資と収益を活用して、公園を整備・管理する事で、都市公園の質の向上、公園利用者の利便性の向上を図る」新しい手法です。

公募設置管理制度（Park-PFI）では、都市公園内の飲食店や売店等の公園施設の設置又は管理を行う民間事業者を、公募により選定。

事業者は設置する施設から得られる収益を公園整備に還元することを条件に、都市公園法の特例措置として、設置管理許可の期間延長や建ぺい率の優遇などさまざまなメリットを享受できます。

これにより、民間は高い生産性・収益を確保しながら事業展開することができ、行政は負担を減らしつつ、民間の利益の一部を活用した公共施設の運営が可能です。

現在の木伏緑地は盛岡市、テナント、その間の利害関係の調整等を行うゼロイチキュウ合同会社で構成される木伏出店者連絡協議会で運営されており、収益事業を継続しつつも、公園として地域とのより良い関係性を大切に、場の価値を持続させるしくみの構築に努めています。

本取り組みは、2021年度グッドデザイン賞ベスト100に選定され、ランドスケープ、土木・構造物のカテゴリで高い評価を得ました。

木伏緑地空中写真（写真左）　木伏緑地MAP（写真右）

■視察プランについて

①　視察対象者

公募設置管理制度（Park-PFI）を用いた⺠間主導の公⺠連携事業に興味のある行政関係者、一般事業者向けのプランです。

②　視察要旨

木伏緑地の事業経緯、都市経営課題を解決するための思考、事業効果、今後の展開についてご説明します。

実際に木伏緑地内をご案内しながら説明を行いますので、現地見学をしながら民間主導公民連携事業による都市経営課題解決について、肌で感じていただければ幸いです。

■視察オプションについて

木伏緑地以外で、BeBA TERRACE（盛岡中央公園）、ホホホの森（盛岡城跡公園芝生広場：計画策定中）及び盛岡バスセンターを連携して事業展開しています。

木伏緑地とあわせて他のプロジェクトの視察等も希望する場合は、オプションを選択してください。

①　BeBA TERRACE（中央公園）

待機児童、不登校傾向児、伝統工芸シュリンク及び障がい者等々の複数の都市経営課題レイヤーを重ねたプロジェクトを展開しつつ、民間投資による公園整備維持管理を実現している民間経営公園です。保育園、ファーマースマーケット、カフェ、饂飩店、洋菓子店、ペットサロン、スタンドコーヒー、美容室、手紡ぎの学校、てつびんの学校というコンテンツが整備され、これからも逐次あらたなコンテンツ整備も進めています。

②　盛岡バスセンター

老朽化した盛岡バスセンターを民間主導公民連携事業で、複数飲食店やホテルの新たなコンテンツを導入した交通結節点施設です。

③　株式会社PUBLIQ 代表取締役 長澤幸多 の視察対応

民間主導公民連携事業や公園活用事業を官民双方の立場で推進した実績のある弊社代表取締役の視察対応を、希望する方へのオプションです。

官民双方の相反する立場で事業を仕掛けた実践者であるからこそ、民間プレーヤー、行政職員及び議員へのアドバイスが可能です。

④　事業アドバイス（株式会社PUBLIQ 代表取締役 長澤幸多）

PPPエージェント業務を遂行する弊社代表取締役への事業相談アドバイスです。

民間主導公民連携事業による事業化を検討している自治体職員、プレーヤーとなって事業者公募に参画を検討している民間事業者、PPPエージェントになりたい人、会社の事業転換を考えている経営者の事業相談に応じるオプションです。

こちらの視察等も希望される場合、オプションを選択の上ご予約ください。

皆様からのご参加お待ちしています。

■木伏緑地紹介動画