熱海視察｜AJIRO MUSUBIが取り組む、地域資源を活かした持続可能な廃校・空き家活用の視察

■団体紹介

一般社団法人あじろ家守舎は、静岡県熱海市の南熱海エリア（網代や多賀）で活動する団体です。

「地域資源を活かした持続可能なまちづくり」をテーマに、地域の歴史や文化、自然、生業など、これまでの文脈を大切にし、南熱海ならでの価値ある地域資源を活用し、新たな産業・事業創出を目的に活動しています。

■事業紹介

〇課題をビジネスチャンスへ：私たちの提供価値

地域社会が抱える大きな課題である「廃校」や「空き家」の活用。これらの遊休資産を単に再生するのではなく、地域の文化、歴史、自然といった未活用の資源と掛け合わせることで、地域外からの需要を取り込む新たなビジネスモデルとして事業化を目指しています。

〇コミュニティを巻き込む「仕組みづくり」

私たちのプロジェクトは、施設再生で終わりません。地域住民・行政・民間企業が連携する「仕組み」を構築することで、再生した事業が地域に深く根付き、外部資金に依存しない自立した地域経済の創出を目指し、関係人口の創出や新たな定住者の呼び込みを促進し、南熱海地区全体の活性化、ひいては地域社会の継続的な発展に貢献していきます。

写真左：AJIRO MUSUBIエントランス　写真右：AJIRO MUSUBIシェアオフィス

■これまでの取り組み

◯廃校活用（旧網代小学校）

廃校活用では、熱海市から南熱海ふるさと創生事業として委託を受け、行政や地域住民の協力を得ながら、学校施設を地域の交流拠点、オフィスなどのワーキングスペース、カフェやイベントなどの交流スペース等を持つ多機能施設「AJIRO MUSUBI」に再生しました。特に、行政との連携プロセスにおいて、地域理解と事業性の両立を図るためのモデルケースを構築しています。

◯空き家利活用

宿泊施設、移住・2拠点の方の住居、飲食店など、域外からの受け入れる場所としての活用だけではなく、インフラや地域の魅力を発信する拠点への再生しています。また、自治会と連携し放置されていた空き家の把握、可視化をし、域外から活用を検討する方々に対し、紹介しています。新会社を設立し、空き家を取得または借り受け、宿泊施設や飲食店などに改修・運営していきます。改修においては、地元の工務店を積極的に活用し、地域経済への貢献も意識しています。　 

◯イベント・コミュニティ形成

域内外の方が参加できるイベントやワークショップを定期的に開催し、移住者や観光客と住民が交流する場を創出。これにより、地域のコミュニティ力を高める取り組みを継続しています。

■これまでの実績

〇廃校活用施設AJIRO　MUSUBI

　施設利用：5000名以上

　教室利用：5教室4テナント

　コワーキングスペース利用：9会員

〇空き家活用

　活用：12軒

　移住者・2拠点、Uターン：7名

〇起業・創業

　2件

写真左：AJIRO MUSUBIコワーキングスペース　写真右：AJIRO MUSUBI会議・研修ルーム

■視察について

本プランではAJIRO MUSUBIの取り組み紹介、網代のまち案内、空き家活用の実例紹介を行います。

地域課題や地域の活性に関わりたい方、南熱海の産業・事業など地方ビジネスに関心がある、実施したい方、地域での新たな取り組みのスモールテストをしてみたい方など、幅広い方にご参加いただける内容です。

実際に事業化し、運営されている廃校・空き家の「再生現場」を自分の目で見、肌で感じられます。

また、成功体験だけでなく、地域でのトラブルや事業運営上の失敗談、行政交渉の裏側など、教科書にはない実践的なリアルをお伝えします。

一般社団法人あじろ家守舎は、まだまだ試行錯誤の中で活動しています。

座学や見学では、完成された例ではなく、現在進行形で奮闘している、泥臭く、そして希望に満ちた現実をお伝えします。

視察は「生きたまちづくり」の現場です。

単なる見学ではなく、皆さんが持ち帰ることができる「気づき」と「行動力」を得るための機会です。

ぜひ、固定観念を外し、地域資源活用のリアルな空気を感じ取ってください。

事前にご質問をいただければ、参加者様の抱える課題に合わせた具体的なフィードバックやノウハウも共有可能です。

皆様からのご参加、お待ちしております。

■視察内容

〇AJIRO MUSUBIの取り組み紹介

　旧網代小学校を活用した地域交流・産業創出の拠点整備とその運営についてご説明します。

〇網代のまち案内

　漁師町・網代の歴史と文化、地域資源を活かした取り組み事例をご案内します（徒歩移動）。

〇空き家活用の実例紹介

　地域内で実際に活用が進んでいる空き家やプロジェクトの紹介、利活用の課題と工夫について共有します。

■本プランで学んでいただけること

〇廃校活用のリアルな全貌

・廃校活用のリアル：成功事例だけでなく、活用前に注意すべきこと、プロジェクトの具体的な進め方。

・費用面のリアル：廃校の改装・維持・運営などにかかる具体的な費用面でのリアルな話。

・行政連携の実際：行政との連携や役割分担、そして課題。

・地域への影響：廃校活用による地域や街の景観、コミュニティへの具体的な変化。

〇空き家利活用の実践ノウハウ

・空き家の調査・所有者との交渉、そして事業化のリアルなプロセス。

〇持続可能な地域連携

・地域住民・行政・各種団体との連携の進め方や、発生する課題とそれを解決する手法。

・漁港エリア活性化における多岐にわたる公的機関との調整や合意形成のノウハウ。

写真：AJIRO MUSUBI1階にある「地産地食」をコンセプトにしたカフェ