世界遺産平泉・一関DMOが取り組む、滞在型観光の促進、地域課題解決に向けた観光地域づくりについて

■団体紹介

「世界遺産平泉・一関DMO」は、観光庁が推進する「日本版DMO」として、岩手県一関市、平泉町の地域活性化を目指す観光地域づくり法人です。

世界遺産平泉及び一関を広く発信するためのマーケティングやプロモーション、観光客の受け入れ態勢の整備のほか、旅行商品の開発、地域のもち食文化を推進し、魅力ある地域づくりを目指しています。

また、2019年度からは一関市ふるさと納税受託事業者となり、寄付金額は2019年度3,800万、2020年度2.8億、2021年7.4億、2022年度15.5億と実績を伸ばしてきました。
現在は補助金なしで運営を行っており、民間DMOとして自走しています。

■事業紹介

◯ふるさと納税寄付受託事業

2019年度から一関市ふるさと納税受託事業者となり、2020年以降、「全国的なリモート出社」「お家時間の活用」など、巣ごもり消費拡大へ対応しながら取扱商品、寄付金額共に実績を伸ばしてきました。

事業を開始した2019年度の実績は、寄付金額3,800万円、寄付件数1,588件、返礼品数208品、事業者数48社だったのに対し、2022年度の実績は寄付金額15.5億円、寄付件数122,707件、返礼品数800品、事業者数117社です。

当団体ではふるさと納税サイトを5つ活用していますが、サイト別にターゲットを設計し、サイトごとのお客様に合わせた情報を再開発しています。

リマインドメール配信による一関市情報の発信を強化することで、ふるさと納税寄附返礼品へのリピーターづくりに積極的に取り組んでいます。

 ◯オンラインショップ 「Local いちBA」 

オンラインショップ 「Local いちBA」は一関・平泉から全国へその魅力を届けるためのサイトとして2021年6月15日オープンしました。

コロナ禍で打撃を受けた事業者の新たな販路として、全国のお客様と関係を構築する新たなツールとして活用されています。

現在の実績は登録事業者数 22社、のべ商品登録数 120品以上、年間アクセス数 61,070pv（2022年4月1日〜2023年3月末）です。

◯シェアオフィス・レンタルスペース「一BA」の運営

一ノ関駅前の好立地にオープンした「一BA」は、起業家や起業家予備軍が集まるコワーキングスペースとして、また、地域内外の方々が交流を拡大するイベントやポップアップストア開催場所として活用されています。

2023年1月より月1回の定期イベント「いちばナイト」を始めました。

「いちばナイト」は地域に住む若者や観光客、海外の方など、地域内外の方々の交流が生まれる場を提供しています。

◯メディア事業

当団体はHP、DMO通信、SNS、地域情報誌を活用した情報発信を行なっています。それぞれの実績は以下のとおりです。

・DMOHP：44,711pv（2021年4月〜2022年3月）→ 75,330pv（2022年4月〜2023年3月） 

・DMO通信：月に 1 回の配信、登録数 3,000 件、年間 36,000 通を配信

・SNS：Facebook / Instagram（日本語/英語）を運営

・地域情報誌：地域外住民を中心に年間 80,000 部を配布

◯もち食推進受託事業 

一関市・平泉町には、古くから「もち食文化」が根付いており、伊達藩の武家社会の儀礼から⽣まれた「もち本膳」や、旬の農産物を⽣かしたもちなど、300種類以上の⾷べ⽅のバリエーションがあります。

当団体では「もち⾷⽂化」を産業化するために、地域ブランディングの構築、お⼟産や飲⾷メニューの開発、 交流・体験の拠点づくりに取り組んでいます。

また、 「もち⾷⽂化」を支える文化伝承のための活動に取り組んでおり、その結果として、地域の活性化に貢献しています。

◯観光地域づくりの取組

当団体では「消費単価を上げる」「リピーターを増やす」ことを目標に、滞在型観光地、リピートしたい観光地域づくりに取り組んでいます。

これまで朝と夜のコンテンツの充実、冬の閑散期を楽しめるコンテンツの造成、体験メニューの充実、観光施設・観光地の高付加価値化、地域の人と観光客間の交流メニューの充実に取り組んできました。

こうした取り組みで重視しているのは中長期の効果が見込めることと、データの分析です。

当団体では効果が限定化される一過性のイベントではなく、恒常的に供給できるコンテンツの開発に取り組んでいます。コンテンツ開発の際は現状の需要及び半歩先の需要を鑑み、当地域に根差した食材、 文化、自然、景勝地+地域の人材を活かしたコンテンツを開発しています。

マーケティングのデータ分析では対面式のパラメーター調査のみならず、WEBアンケート調査も導入し、より多くのデータを収集し精度の高い分析を行っています。

また、データ分析からみえてくる当地域の課題を関連団体と共有することで、今後のすすむべき道を探っています。

写真左：新メニュー、体験コンテンツの開発を行なった骨寺村荘園遺跡　右：観光人材育成で行った全国通訳案内士によるインバウンド対応セミナーの様子

■プランについて

これまで、観光による地域振興を実現するために、多くの地域はプロモーション活動に力を入れてきました。

しかし、プロモーション活動には多くの費用がかかりますし、新規客数の維持又は拡大を狙うためにはより多くの費用が必要です。

当団体ではこのようなプロモーションに頼った新規客数の維持又は拡大はいつか限界を迎えると考えており、現段階から方向転換に取り組んでいます。

それが「消費単価を上げる」「リピーターを増やす」ことを目標とした、滞在型観光の推進、リピートしたい観光地域づくりです。

本プランでは当団体が進める滞在型観光の推進、リピートしたい観光地域づくりについて、なぜ方向転換をしたのかという背景から、現状の取り組み内容の紹介、データを分析によって判明した課題の共有、今後の方針まで、余ることなくご紹介いたします。

観光分野に携わる自治体、DMOや観光協会といった関連団体の職員の方、民間部門で観光促進に取り組まれている方、皆様のご参考になれれば幸いです。

講師は当団体の代表が務めます。講師の紹介は下記に記載の通りです。

皆様からのご予約をお待ちしています。

※当団体のふるさと納税寄付受託事業についての視察を希望される場合は、コチラのプランよりご予約ください。

※本プランでご紹介する観光地域づくりの取組と、ふるさと納税寄付受託事業両方について視察を希望される場合はオプションより「追加説明：ふるさと納税寄付受託事業」を選択の上ご予約ください。

■講師紹介：当団体CEO 代表理事　松本数馬（株式会社イーハトーブ東北 代表取締役）

2017 年 2 月に株式会社イーハトーブ東北を創業し旅行業を開始する。また、築150年の古民家改修を平泉町で実施し、1泊10万円の高付加価値な宿泊施設を運営するなど、自社としても高付加価値観光コンテンツ開発に注力。加えて株式会社みずほ銀行をはじめ 12 年間金融機関に勤務していた経験を活かし、自社及び地域全体の経済循環についても高い見識と知見をもって事業推進にあたっている。

写真：松本数馬